令和6年10月30日の第111回社会保障審議会医療部会で上記表題について議論がなされています。
第111回社会保障審議会医療部会 資料
上記資料のうち、オンライン診療推進に関する該当資料についての要約は以下の通りです。
1.オンライン診療の定義と基本方針について
厚生労働省は、情報通信機器を用いた遠隔医療のうち医師-患者間で行われる診療をオンライン診療と定義しています。これには診断や処方などの診療行為をリアルタイムで行う「オンライン診療」、受診勧奨を行う「オンライン受診勧奨」、一般的な情報提供にとどまる「遠隔健康医療相談」が含まれます。
2.オンライン診療を提供可能な場所について
オンライン診療の提供場所については医療提供施設と居宅等の2つに分類されると明示しています。医療提供施設は患者への医療サービス提供を目的とする施設であり適切な衛生水準を確保する必要があると示されています。居宅等は、療養生活を営む場所として社会通念上適切な環境が確保されプライバシーが保たれる場所とされています。
3.違法・違法疑い事例への対応
現行制度では、違法が疑われる医療機関への対応に課題があることが指摘されています。これに対する方策として、美容医療を提供する医療機関の実態把握のための定期報告制度の導入や、医師法の解釈・立入検査のプロセスの明確化、診療録の記載事項の追加などの対応案が提示されています。
4.オンライン診療に関する法整備
医療法にオンライン診療の総体的な規定を設ける方針が示されています。具体的には、オンライン診療を行う医療機関の届出制度の導入、厚生労働大臣による基準の策定、特定オンライン診療受診施設の設置に関する規定などが提示されています。
5.オンライン診療のための診療所について
必要性があると認められた場合、特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設が認められることとなりました。また、定期的に反復継続して行われない場合や一定の地点で継続して行われない場合は、新たな診療所開設の手続きは不要でオンライン診療ができるとされています。
6.職場やデイサービス等での実施について
通所介護事業所や学校など、患者が長時間滞在する場所でもオンライン診療の実施が可能となっています。ただし、医療補助行為や医療機器の使用を伴う場合は診療所開設が必要となります。
7.普及状況
情報通信機器を用いた初診料等の届出医療機関数は着実に増加しており、令和6年10月1日時点で約12,500医療機関に達しています。
医師偏在や人口減少に伴う地域の過疎化や、労働人口減少に伴うマンパワー不足を補うためのオンライン診療も含む医療DX政策は今後も普及拡大すると思われます。また実態情報をフィードバックすることによりより良い診療体制構築が求められていくと考えられます。
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