令和6年9月6日(水)に第8回新たな地域医療構想等に関する検討会が開催されました。
内容的には2040年に向けた入院医療提供体制の再構築についてですね。
簡潔にまとめると、まず将来の医療需要の変化が指摘されています。高齢者救急や在宅医療の需要が増加する一方で、急性期医療の需要は減少すると予測されています。特に85歳以上の高齢者の救急搬送と在宅医療需要の大幅な増加が見込まれています。
高齢者医療に関しては、入院早期からの離床やリハビリテーション、早期退院の重要性が強調されています。理由としては、高齢者の筋力低下やADL(日常生活動作)の低下を防ぐためです。また、高齢者の単独世帯の増加も考慮に入れた退院調整の必要性も指摘されています。
救急・急性期医療については、医療の質と医療従事者の持続可能な働き方を確保するため、一定の症例数を集約して対応する地域の拠点病院の必要性が記されています。病床利用率の低下や医師の長時間労働といった課題に対応するためです。
また、現行の病床機能報告制度には、報告内容の客観性や一貫性に課題があることが指摘されています。このために新たな地域医療構想では、病床機能とともに医療機関の機能を明確にする方向性が示されています。
他には2040年に求められる医療機関機能として、高齢者救急の受け皿となり地域への復帰を目指す機能、在宅医療を提供し地域の生活を支える機能、救急医療等の急性期医療を広く提供する機能、医師派遣機能、医育機能などが挙げられています。
末尾には新たな地域医療構想に関する検討会のスケジュールが示されており、2024年内に取りまとめを行い、2025年度以降にガイドラインの策定、新構想の策定・実施を予定していることが記されています。
今回の資料は、日本の医療提供体制が直面する課題と、それに対応するための将来像を包括的に示されており、今後の医療政策の方向性を理解する上で重要ではないかと考えます。
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