今回は、社会医療法人の不動産取得税についてです。
通常、土地や建物を取得した場合には不動産取得税が課されます。
まぁ、居住用財産である場合には非課税になったりしますね。他には特別養護老人ホームなども社会福祉事業に該当するので非課税です。
一方、医療法人が取得する病院や老人保健施設等は課税対象となりますが、社会医療法人の場合には一定要件を満たす場合には非課税になります。
<地方税法>
(用途による不動産取得税の非課税)
第七十三条の四 道府県は、次の各号に規定する者が不動産をそれぞれ当該各号に掲げる不動産として使用するために取得した場合においては、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
~略~
八の二 医療法第四十二条の二第一項 に規定する社会医療法人が直接同項第四号 に規定する救急医療等確保事業に係る業務(同項第五号 に規定する基準に適合するものに限る。)の用に供する不動産で政令で定めるもの
直接という文言は、県の裁量になる可能性は否定できませんが、救急医療等確保事業に係る部分の不動産は非課税になるという内容です。
実際の手続き上としては、市町村管轄の固定資産税が非課税になった場合に、追って都道府県管轄の不動産取得税も非課税になるという流れのようです。
(過去の判例では必ずしも両方とも非課税になるとは限らない事例もあります。これについては機会があれば記載します。)
ただし、実際に不動産取得税を非課税とすることを確実にしたいのであれば、事前に所轄の都道府県に問い合わせしておいた方が良いと思います。
ちなみに非課税の申請については以下のような書類が必要です。
①事業計画の写し(土地等を事前に取得するには事業計画を立てたうえで理事会等の決議が必要と考えるため。)
②議事録の写し
③法人登記の写し
④取得した不動産登記簿謄本の写し
⑤不動産の取得に関する申告書(所轄都道府県の税務課等のホームページからダウンロードできる場合があります。)
これにプラスして、過去に取得した不動産で今回と同様の使用目的の物件での非課税実績がある場合には、過年度の物件に係る固定資産税非課税申請書類の写しがあればよりスムーズに話が進みます。
その他の留意点としては、
例えば、土地と建物と両方を取得し家屋については取り壊す予定であれる場合、社会医療法人の非課税申請とは別に申立書提出をすることにより建物については課税されません。
ただし、一般的には申立書の用紙はホームページには記載されていないようなので、建物取得後所轄に連絡により書類を送付してもらう必要があります。
また、非課税申請を行う場合で建物を建てる場合の非課税申請については建築が完成していないと非課税にはできないようです。
いずれにしても、不動産取得税は固定資産税評価額の4%(本則の場合)が課税されますので、これを非課税にできるか否かで支出する金額に大きな差が出ることは間違いありません。
忘れずに非課税申請しておきたいところですね。
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