平成30年度 税制改正③(検討事項について)

税制

今回は検討事項についてです。
税制改正大綱の内容は大きく3つに分かれています。

第一 税制改正の基本的考え方
第二 税制改正の具体的内容
第三 検討事項

第一、第二は確定事項で税に関してこういう風に変えていくよ、という内容が記載されています。
第三は文字通り「検討事項」なので、こういう事も考えているけど今後決めていくよという内容です。

その中で、医療に関係しそうなものは主に2つありました。

<平成30年度税制改正大綱>
6 医療に係る消費税のあり方については、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ、平成31年度税制改正に際し、税制上の抜本的な解決に向けて総合的に検討し、結論を得る。

9 事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する。

両方とも数年前から検討事項に上がっていますが、主だった進展がないまま未だに検討事項には上がっているという状況です。
ちなみに平成29年度の税制改正大綱と平成28年度税制改正大綱には各々以下のように記されています。

<平成28年度税制改正大綱>
8 医療に係る消費税等の税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられることが予定される中、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、実態の正確な把握を行う。税制上の措置について、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。

13 事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する。

<平成29年度税制改正大綱>
8 医療に係る消費税等の税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられまでに、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、実態の正確な把握を行いつつ、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、総合的に検討し、結論を得る。

12 事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する。

事業税については、1字1句まったく同じです。また末尾の、「そのあり方について検討する。」はじっくり時間をかけて結論を出しましょうという意に汲み取れます。
個人的には与党が政権を握っている間はこのままの状態で何年も続くのかなと思っています。医療に優しい自〇党ですから(笑)
関係各所から要望が上がっているので、載せてはおくよという配慮と個人的には捉えています。

一方、消費税の方は28年度は「29年度に結論を得る」としながら29年度にただの「結論を得る」になり、30年度は「31年度に結論を得る」と行ったり来たり感がありますね。
平成29年度にトーンダウンしたのは、平成28年6月1日に消費税率10%の引き上げを平成31年10月まで先送りしたことが理由でしょうね。
今回の改正では、一応末尾が「31年度に~結論を得る。」になっていますので、消費税10%の再々延期がなければ次回の改正時には決まるのかなと思います。

他に気になったものは医療ではないのですが、成年年齢の引き下げですね。選挙権が18歳に引き下げられたものに追随するものですね。

<平成30年度税制改正大綱>
12 現在、政府において、民法における成年年齢を 20 歳から 18 歳に引き下げるとともに、他法令における行為能力や管理能力に着目した年齢要件を引き下げる方向で法改正に向けた作業を進めているところである。税制上の年齢要件については、対象者の行為能力や管理能力に着目して設けられているものであることから、民法に合わせて要件を 18 歳に引き下げることを基本として、法律案の内容を踏まえ実務的な観点等から検討を行い、結論を得る。

こちらの項目に関して、税務として関連するのは相続税の未成年者控除が当てはまりそうで、対象者が20歳から18歳に引き下げられる可能性もありそうです。
こちらについても「結論を得る。」となっていますので、遠くないうちに動きはありそうなので注視したい項目ですね。







コメント

タイトルとURLをコピーしました