ふるさと納税制度

税制

今回はふるさと納税制度です。

この制度、「結構浸透してきたのかな」と思っていましたが、まだまだ活用されていない方がいらっしゃるようで意外でした。
活用されていらっしゃらない方に理由を伺うと、「仕組みが良くわからない」「限度額がいくらまでか分からない」と言う方が多いのですね。
(寄附する金額に限度額は無いのですが、税金に反映できる限度額がいくらまでかという意味とお考え下さい。)

確かに税金に携わる仕事をしていないと理解しにくい仕組みではあると思います。
所得税は所得控除で住民税は税額控除ですものね。
どういうことかというと、ふるさと納税の寄附金額は所得税の場合は納税額前に控除し、住民税の場合には税額後に控除する仕組みなんです。

でもって、寄附した金額は所得税の確定申告した上で(別途申告しないワンストップ納税制度もあり。)所得税を納付若しくは還付され、住民税は翌年の住民税額から2割を限度に税額控除をするという仕組みなので、寄附した額がどのように反映されたか良くわからないという人が多いのではないでしょうか。(私も最初は良く分かりませんでした。)

なので、この分からなさを払拭すべく、簡単にそして大まかに理解してもらうために以下に書いていこうと思います。
ちなみに、ふるさと納税制度自体を否定される方もいらっしゃいますが、寄附の際、用途を限定することも出来たりしますので、年末調整のみで完結する給与所得者の方などは税の仕組み、使途など考える機会になり税に関心を持つきっかけにもなる可能性があるのではと私は考えています。

さて余談でしたが、ふるさと納税制度はおおまかに言うと、「年間実質2,000円で返礼品ももらえたりする(ただし、住民税の2割まで)制度」です。

制度の仕組み的には3段階に分かれています。

1.所得控除(寄附金控除)
 所得税の課税標準額(例えば給与所得者であれば給与支給額から給与所得控除額を控除した金額)から控除する金額です。
 カテゴリー的には基礎控除や配偶者控除、扶養控除などと同じです。
 寄附金額から2,000円を引いた金額が課税標準額から控除されます。(課税標準額の40%が限度。)
 ちなみにその控除後が課税所得金額となり、これに税率をかけた金額が年税額となります。税率は課税所得が大きいほど高くなります。

2.住民税の寄附金税額控除
 住民税は寄附金控除(所得控除)ではなく寄附金税額控除となります。ふるさと納税は地方団体への寄附なので、寄附金税額控除の対象となり、寄附金額の10%(県4%・市6%)が控除されます。(課税標準額の30%が限度。)

3.住民税の特例控除額
 ふるさと納税の場合、更に特例控除額が加算されます。上記1、2で引ききれなかった寄附金額を住民税の所得割額(所得に応じた税額)の2割を限度に控除することができます。
 考え方としては100%から所得税で適用された税率と、住民税寄附金控除で適用された税率10%を控除した税率を寄附金額(2,000円控除後)に乗じると控除しきれなかった金額が出ます。その金額に住民税の税率10%(県4%・市6%)を乗じた金額を控除することができます。

ちなみに、年末調整のみで確定申告をしない方(不動産所得や事業所得等がない方、医療費控除や雑損控除がない方等)はワンストップ特例という制度もあります。
上記1の確定申告をしない分、所得控除の対象にならない金額を住民税から控除する仕組みです。
ただし寄附の際、ワンストップ特例をする旨を該当地方団体に伝えることと、5か所を以内の地方団体に寄付をした場合のみしか適用がありません。

仕組みはこんな感じです。

では、その限度額までの計算はどう算定するのかですが、給与所得者の場合は年末調整後の源泉徴収票から限度額が計算できます。(といっても12月末まであまり時間がないとは思いますが...)個人事業者等の確定申告が必要な方の場合は概算で見積もるしか無いですね。
前年と所得の変動があまりない場合には、前年の数値で限度額を算定してみるのも手ですね。

ふるさと納税サイトでは金額のシミュレーションをしてくれる所もありますので、参考にされてみてください。
ちなみにオススメはふるさとチ〇イスの控除限度額計算シミュレーションです。
給与所得者限定ですが良く出来ています。
給与所得者以外も課税標準額にこれに対応する給与所得控除額を加算した数値を入れれば、実際の限度額に近い金額が出ると思います。









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