平成30年度 税制改正①(社保診療等80%要件の改正)

特定医療法人

みなさん、初めまして。税理士のPlutusと申します。
医療系メインの税理士法人の税理士として働いています。

今回、医療経営や介護経営に携わっている方に少しでもお役に立てればと思い、ブログを立ち上げました。
なるべく分かりやすく情報提供できればと考えています。よろしくお願い申し上げます。

さて、第一回のテーマは「平成30年度税制改正大綱」から、「社会医療法人制度の見直し」と「特定医療法人の法人税率の特例」についてです。
両者のいずれかを運営している医療法人について、今回の税制改正では、社保診療等の80%基準の緩和が大きなトピックになると考えます。

平成30年度税制改正大綱より抜粋

<社会医療法人>
関係法令等の改正により社会医療法人制度における次の認定要件の見直しが行われることを前提に、その見直し後の社会医療法人を引き続き公共法人等(所得税法別表第一)とする。
➀ 社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に一定の予防接種に係る収入金額及び介護保険法の規定に基づく保険給付に係る収入金額を加える。(➁以下略)

<特定医療法人>
特定の医療法人の法人税率の特例について、次の措置を講ずる。
➀ 承認要件のうち社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に一定の予防接種に係る収入金額、助産に係る収入金額(一の分娩に係る助産に係る収入金額が50万円を超えるときは、50万円を限度とする。)及び介護保険法の規定に基づく保険給付に係る収入金額を加える。(➁以下略)

今までは予防接種や介護報酬のうち一部を除いてはこの80%要件の分子にすることはできませんでした。
しかし、昨年、平成29年10月1日施行の新認定医療法人制度の要件に、上記、予防接種や介護報酬についても分子に含めることとなり、同時に平成30年度税制改正要望に社会医療法人、特定医療法人についても同様にすべきと要望が掲げられていました。
当局側も税収増の可能性が高まり、医療法人側も要件が緩和された事により、柔軟な事業計画が立てられる事になりました。
ただし、介護報酬については保険給付が対象であり、全額自己負担となっている居住費・食費・滞在費等は分子には含まれませんので注意が必要です。
予防接種については予防接種法第2条第6項に規定するものや、厚生労働大臣が定める予防接種(麻しん、インフル、おたふくかぜ、ロタウイルス)を指しています。

また、社会医療法人に関しては、本来業務の費用の額が全費用の6割を超えなくてはいけないという要件が出来ましたので、注意が必要です。

③本来業務に係る費用の額が全費用の額の100分の60を超えることとの要件を加える。

附帯業務や収益業務に力を入れすぎることなく、本来業務に集中して欲しい意図があるようです。

いずれにしても要件が緩和されたことにより、該当医療機関にとっては喜ばしい改正かと思われます。







コメント

  1. […] 平成30年度 税制改正①(社保診療等80%要件の改正) http://youtaxsaver.wp-x.jp/2018/01/08/ […]

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